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ある日の老舗味噌蔵に密着!
汗と麹と情熱にまみれ、古式醸造みそはこうして造られる
大豆麹の製麹(せいきく)

蒸熱- 前日に浸漬(しんせき※一晩水に浸すこと)した大豆を水切りし、大型の釜で蒸かします。煮るのではなく蒸かすのは、大豆の旨味が逃げてしまうのを防ぐため。圧力をかけてギュッと旨味を凝縮させるので、その微調節には細心の注意が必要です。
冷却- 蒸しあがった大豆は、放冷機を使って冷まします。六代目により次々と機械に送り込まれた直後にふと女性スタッフを見ると、手際よく使用済みの大釜を洗浄。あうんの呼吸で味噌蔵の仕事は進んでいくのです。
引き込み- 冷ました大豆は、バケツに入れて麹室へと運んでいきます。次々と放冷機から大豆が流れてくるため、ここは時間と体力の勝負! 短距離ダッシュを連続で行うような激しい作業が続きます。
床揉み- 関係者以外は断じて入室厳禁の麹室にて。大豆を広げて、種麹菌を振りかけ、満遍なく丹念に混ぜ合わせる作業です。ならした後には、もう一度、同じ作業を繰り返し、綿密に接種を行います。この時、麹室にはむせ返るほどの麹菌が舞い上がっていました。
床寝せ- 麹蓋(こうじぶた)と呼ばれる木箱に小分けし、大豆が27~28℃の適温になったら木箱を重ねます。ちなみに、この段階では黄色い大豆が、麹菌の繁殖した3日後には、まるで砂糖を全面にまぶしたかのように真っ白な状態へと変化します。
米麹の製麹

蒸熱- 大豆と同様、侵漬後に水切りした米を、古来よりの製造器具「甑(こしき)」を用い、蒸気の出る場所へ米を敷き詰めるという「抜け掛け法」で行われます。おこわのように外側が固く、内側がもっちりの状態へと仕上がるのです。
冷却- 「冷却」の工程も大豆と同じように、蒸し上がった米を放冷機に流し、送風によって冷ましていきます。次の工程に際して、30~31℃にするため、送る風や流れるスピードにて、入念な品温の調節が行われます。
引き込み- 大豆が60kgなのに比べ、用いられる麹用の米は1回あたり150kg! そのため麹室に運ぶ引き込み作業は、より体力を使います。引き込む直前での温度チェックも欠かせないため、各スタッフの経験値や集中力が必要不可欠な工程です。
床揉み- 種麹菌を米に満遍なく接種します。この時点は植物に例えるならば、まだ種の状態。順調に芽を出させ、生育するための大切な工程なため「床揉み」は、とりわけ気の抜けない工程といえるでしょう。
床寝せ- 種麹を接種した米を、床寄せ箱に詰め込んだ後は、何重もの毛布で包み、完璧に保温・保湿が施された状態で一晩を過ごします。微生物の環境を整える作業には、さまざまなノウハウが駆使されているのです。
内山味噌店・六代目から一言
「みそ造りは一日にして成らず。一つ一つの工程を積み重ねて、古式醸造みそは造られます。ですから、今日はその一部をご覧になっていただいたに過ぎません。例えば、微生物の力によって麹を繁殖させる床寝せの工程も、3時間おきに木箱を入れ替え、6時間ごとに菌をほぐす作業を行います。それら全ての仕事をきっちりと完遂し、熟成を重ねることによって、初めて美味しい味噌を、お客様に召し上がっていただくことができるんです」
取材日:2008年10月28日


















